2011年7月14日(木)「しんぶん赤旗」

米軍横須賀基地 原子力空母配備 危険いっそう

“地震確率高まる” 神奈川・三浦半島


 文部科学省の地震調査研究推進本部は、東日本大震災に伴う地殻変動で、神奈川県の「三浦半島断層群」での地震発生確率が高くなった可能性があると、このほど発表しました。同断層群が走る横須賀市には、2基の原子炉を持つ米原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)の母港があり、震災に伴う原子力災害の危険も一層高まることになります。


 同本部に設置された地震調査委員会はこれまで、三浦半島断層群で起こる地震の予想規模はマグニチュード6・6以上であり、30年以内にそうした地震が発生する確率は今年1月現在で最大11%としていました。これは、全国の主な活断層の中でも上位グループに入ります。

 同調査委によると、同断層群の一つ、武山断層帯の平均活動間隔は1600年〜1900年程度。最後の活動時期は約2300年前〜1900年前とみられており、すでに平均活動間隔を過ぎています。

 同調査委は、東日本大震災を受けて再評価した結果、確率がさらに高まっている可能性があると判断しました。ただ、具体的に何%高くなったかは示していません。

 横須賀市などの共同研究によると、武山断層帯でマグニチュード6・8の直下型地震が起こった場合、同市東部の広い範囲で震度7の激しい揺れが想定されるとしています。

 横須賀では、1923年の関東大震災でも震度7の揺れがあったとされます。

 旧日本海軍の横須賀軍港では、重油タンク群の発火・炎上、軍艦の座礁や艦同士の接触、陸上施設の倒壊・焼失など甚大な被害が発生。港周辺では津波前の大きな引き潮が発生しました。(「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」が6月に発行したパンフレットから)

 今回の東日本大震災でも、母港の横須賀基地で定期修理を行っていたGWは、地震発生直後に海面が6フィート(約1・8メートル)下がり、揺れが激しかったため船体が岸壁から引き離されたといいます。(米軍準機関紙「星条旗」3月11日付電子版)

 前述のパンフレットは、原子力空母の原子炉冷却システムを稼働させるための電力供給施設が巨大地震によって破壊されれば、福島第1原発事故と同様の事故になりかねないと強調。また、津波の際の引き潮によって冷却用海水の取水ができなくなる危険もあると警告しています。

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