2011年7月14日(木)「しんぶん赤旗」
「安全神話」ただす
電事連会長に吉井議員
衆院復興特
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衆院東日本大震災復興特別委員会は13日に原子力損害賠償支援機構法案に関する参考人質疑を行いました。
電気事業連合会の八木誠会長は、電力会社の責任は棚に上げて、「国の支援を積極的に発動していただきたい」と述べ、安全無視の原発事業に反省もなく「原子力について安全性を確保した上で今後も有効活用していく必要がある」としました。
全国銀行協会の永易克典会長は「成立が遅れた場合、東電が債務超過に転落してしまう」と述べ、国民負担による東電と大銀行救済策を押し付ける姿勢を示しました。
大阪市立大学大学院の除本理史准教授は、「補償対象の範囲を狭く限定して『線引き』をするのではなく、全面的に補償することが大変重要。原子力発電の『真のコスト』をきちんと計算できることになる」と指摘。東電に直接的責任があり株主や金融機関も含めた債権者が一定負担をすることがスジだが、法案では電気料金や税金を通じて国民に転嫁されていく可能性が残っていると批判しました。政府は東電に責任をまっとうさせる役割があると強調しました。
日本共産党の吉井英勝議員は、「全電源喪失も炉心溶融も何度も国会で警告してきた。それを聞き入れず、非常に重大な問題になった。安全神話があったのではないか」と質問。八木会長は「これまでの対策に不備があった」と認めました。
吉井氏が電力会社は免責されるのか問うと除本氏は「東京電力の責任制限をすべきかどうかは問題にならない。重大な過失まで指摘されている」と述べました。
また吉井氏は、貸し手先である電力会社の「安全神話」や地域独占によって銀行は確実に利益を得られた状態であったことを指摘し「債権放棄をする覚悟があるか」とただしました。永易会長は「いろんなバー(条件)をクリアしない限り応じないというのが原則的立場だ」と応じない考えを示しました。