2011年7月14日(木)「しんぶん赤旗」
全面賠償・原発撤退の方針示すことが大事
首相の「国有化」発言 穀田氏が指摘
日本共産党の穀田恵二国対委員長は13日、国会内で記者会見し、菅直人首相が12日の衆院復興特別委員会で、原発事業の国有化も議論すべきだと発言したことについて問われ、「大事なのは、東京電力に全面賠償の責任をとことん果たさせるとともに、原発からの撤退の方針をしっかり打ち出すことだ」と述べました。
菅首相は、福島原発事故の賠償問題に関連して「事故のリスクの大きさを考えると民間企業という形が担いうるのか」と述べていました。
穀田氏は「多くの被害者がまともな補償を受けられていないのが実情だ。全面賠償を行う責任を東京電力と大株主の金融機関やメーカーなど企業に果たさせることこそ真っ先に国がやらなければならないことだ」と強調。さらに、今回の事故で計り知れない被害をもたらし、それを食い止める術をもっていないことが明らかになったとして、「これを機に、原発からの撤退をきちんと方針として打ち出すことだ」と指摘しました。
穀田氏はまた、「菅首相はエネルギー基本計画の見直しも言及しているが、どのように見直すのかは明らかにしていない。日本共産党は原発からの撤退を決断し5〜10年内でゼロにすると主張しているが、そういった展望を打ち出してこそさまざまな議論が成り立つ」と強調しました。
穀田氏は、西岡武夫参院議長が自身の論文で、衆院で内閣不信任案決議、参院で首相問責決議を同時に出して菅内閣を退陣させるべきだと主張していることについて、「議案にかかることや衆院の決議にあれこれ言うのは越権行為だ。西岡議長は、衆院から送られてきた法案を『参院では質疑できない』などとも言ってきた。議長としての範を越えた言動は極めて不見識だ」と批判しました。