2011年7月14日(木)「しんぶん赤旗」

日本酪農乳業協会が集い

原発被害の救済訴え


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(写真)震災から再生をめざして開かれた酪農乳業の集い=13日、東京都内

 大震災と東京電力福島原発事故による酪農被害が広がるなか、酪農家や乳業者、牛乳販売者でつくる日本酪農乳業協会は13日、「震災からの復興・再生を共に目指す酪農乳業の集い」を東京都内で開きました。

 震災被災地の50人をはじめ全国から約450人が参加。同協会の高野瀬忠明会長は、地震と原発事故の放射能汚染によって、「産業として危機的状況にある」と訴え、安全な牛乳・乳製品を安定供給するとりくみを宣言しました。

 放射能汚染の影響では、福島県と茨城県で1万9千トンの生乳が捨てられました。福島県で避難を余儀なくされた酪農家は73戸もあり「これらの農家の方々は塗炭の苦しみの中にある」と告発しました。

 「被災地からの声」として福島県酪農業協同組合の但野忠義組合長は、先月、同県相馬市で酪農を営んでいた男性(55)が自殺したことにふれ、「第二の自殺者が出なければいいが…」と話しました。原発被害は3月分でも半分程度しか補償されてないと報告。「国のエネルギー政策として原発を40年前に建てた。東電と国が補償を担保してもらわないと再建の気持ちが折れる」とのべ、損害賠償が遅れていることが復興の足かせになっていると訴えました。

 集いでは、放射能の検査を済ませた乳製品を安定供給することを決議。口蹄(こうてい)疫被害に苦しんだ宮崎県酪農協議会の吉松孝一副会長も参加。「みなさんのおかげでここまでこられた。力強い意志と心で復興してほしい」とエールを送りました。全国消費者団体連絡会の阿南久事務局長らが激励あいさつしました。





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