2011年7月13日(水)「しんぶん赤旗」
リビア軍事介入行き詰まり
政治解決探る動き
伊外相・国連特使も要求
カダフィ政権と反政府勢力の戦闘が続くリビア紛争に関連し、イタリアのフラティニ外相は12日付のメディアで「政治解決が必要だと確信している」と述べました。北大西洋条約機構(NATO)による軍事介入が行き詰まるなか、政治解決を模索する動きが相次いでいます。
同氏の発言は、アルジェリアの新聞エルハバルのインタビューに答えたもの。ロイター通信が伝えました。
政治解決の内容については「戦闘を終わらせ、正当性を失ったカダフィ氏は身を引き、リビア社会のすべての代表による民主的プロセスを開始する」ことだと述べました。
NATO加盟国のイタリアは、リビア空爆のための基地を提供しています。しかし、ベルルスコーニ首相は7日、リビア空爆に反対の考えを示しました。
空爆作戦で英国とともに中心的役割を担うフランスのロンゲ国防相も10日、カダフィ政権と反政府勢力に対し、対話を求めました。
一方、反政府勢力は、カダフィ氏が権力にとどまる限り、交渉を拒否すると主張してきました。リビア担当のハティーブ国連事務総長特使は11日、ニューヨークで報道陣に対し、「(リビアの両者に)政治解決に向けた努力にいっそう焦点をあてるよう求めている」との立場を明らかにしました。
一方、パネッタ米国防長官は同日、訪問先のイラクの首都バグダッドで、「率直に言って今、対リビア作戦で問題なのは、(このままでは)あと90日以内で多くの国々の戦力が消耗しかねないことだ」と主張。NATO加盟国に対し、いっそうの軍事貢献を求めました。
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