2011年7月13日(水)「しんぶん赤旗」

「震災便乗」の賃金未払い

青年ら15人団交 勝利

大阪のコールセンター


 職場で東日本大震災の発生翌日から自宅待機を命じられ、休業手当もなしに賃金未払いになったアルバイトの青年らが、労働組合に入って会社側と団体交渉し勝利解決したことが12日までに分かりました。3〜4月の2カ月分の未払い賃金など計328万円の支払いを勝ち取りました。

 訴えていたのは15人です。大阪市内のコールセンター会社に勤めていました。NTT西日本の3次下請けで、電話セールスをしていました。震災による“営業自粛”を理由に自宅待機とされたため、個人でも入れる「地域労組おおさか青年部」や地域労組城北友愛会に相談し加入。団体交渉を5回行い、未払い賃金や休業手当の支払いを求めてきました。

 団交では、自宅待機命令が会社側の「震災便乗」処分だったことが判明し、勝利解決しました。

 団交で中心的役割を担った青年は「組合にはすごい力があると知った」と驚きます。「組合の力を知る人が増えれば、会社は不当なことをできなくなるはず。もっと知らせたい」。司法書士の夢に向かって、内定を得た不動産会社数社に今月下旬にも返事を出し、新たな一歩を踏み出そうとしています。

 「非正規雇用労働者が常に雇用の調整弁として利用されている」と青年らと一緒に会社側を追及してきた中嶌聡・青年部書記長は「『震災』を口実にすれば、何でもまかり通るかのような空気がある。まずは声を上げることが大切です」と話しています。





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