2011年7月10日(日)「しんぶん赤旗」
大震災4カ月 復興へ岩手県民会議結成
被災者「党派超えた力で頑張る」
東日本大震災から間もなく4カ月を迎える9日、国や岩手県の施策に住民の声を反映させ、被災者・被災地主体の復興を目指そうと、「救援・復興岩手県民会議」が発足しました。盛岡市勤労福祉会館で開かれた結成総会には約200人が参加しました。大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県で、県民や各分野の団体による復旧・復興をめざす組織が結成されたことになります。
3県に共同組織そろう
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壊滅的被害を受けた三陸の沿岸地域や、支援にあたっている各団体の代表が現地の状況と取り組みを生々しく語りました。町を襲った津波の写真を掲げての発言もありました。
日本共産党の藤倉泰治陸前高田市議は、中里長門前市長のときに培った超党派での街づくりの体験が、この困難を必ず乗り越えさせてくれると訴え。2000戸の公営住宅建設にふれ、「陸前高田で子育てをしたいと新たな人が来るまちへ、戸羽太市長を先頭に党派を超えた市民の力で頑張りたい」と力を込めました。
医療体制の確保を求める声も会場の共感を呼びました。県の復興基本計画案に高田、大槌、山田の3県立病院の再建が明記されていないと指摘し、「県立病院を元通りに再建してほしい」「地域医療を守りたいという多くの開業医の希望に応える施策が見えない」という意見が相次ぎました。
採択したアピールでは「被災者の生活と生業(なりわい)の基盤の早期回復を最大の課題とし、上からの青写真押し付けは許されないという立場で復旧、復興を目指す」と述べています。
代表世話人に、加藤善正県生協連会長理事、中里前陸前高田市長を含む8氏を選びました。常任世話人に、共産党の斉藤信県議が加わりました。
安全・安心な社会創造研究所代表で大船渡市出身の佐藤隆雄氏が「東日本大震災の応急対応から復旧・復興を考える」をテーマに記念講演をしました。