2011年7月8日(金)「しんぶん赤旗」
守ろう修習生の給費制
日弁連が市民集会開く
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司法修習生に給与を支払う給費制の存続を求め、日本弁護士連合会は6日、東京都内で市民集会「守ろう給費制! 育てよう市民のための法律家」を開き、弁護士や法律家志望の学生ら約150人が参加しました。
日弁連の宇都宮健児会長は、東日本大震災の発生以降、全国の弁護士300人以上が被災地にかけつけ、2万件超の無料法律相談を手がけ、立法提案をおこなっていることを報告。「この手弁当の支援活動の背景には、63年間続いた給費制があり、国が大変な時に法律家が恩返しする重要な制度だ」と述べました。
パネル討論では、4人が発言。朝日新聞の落合博実元編集委員は「弁護士の社会的な活動と給費制は、どう結びつくのか」と問題提起。ビギナーズネット代表の渡部容子弁護士は「修習生のはじめての給与はものすごく重かった。納税者から託された重みは、震災での相談活動など弁護士の活動で花開くもの」と話しました。
日弁連の新里宏二副会長は「給費制は多様な生活感覚をもった法の守り手をつくる制度。給費制をなくしては、弱者救済に取り組む法律家が確実に減る」と、廃止を危惧しました。
給費制をめぐっては昨年、廃止が予定されていましたが、日弁連などの全国的な運動で、廃止が1年間の延期となりました。政府は現在、諮問機関を設置して、法曹養成全般について議論しています。13日に給費制についての議論が行われる予定です。