2011年7月6日(水)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
頭が竜でしっぽがヘビ。竜頭蛇尾です。最初は大した勢いなのに終わりはしょぼくれてしまうさまを表します▼名前は「龍」。自分が率いる震災の復興本部も、わが名にちなみ「チーム・ドラゴン(竜)」と名づけた松本龍・復興担当相。「チームが失敗したら責任を取るのが閣僚の役目」と大きく出ていましたが、みずからの失敗で辞任に追い込まれました▼就任から1週間あまりのうちに、竜頭蛇尾です。たしかに、勢いはよかった。岩手県庁の玄関前で知事に向けてサッカーボールをけりこみ、知事との会談では得意げでした。「おれなんかちゃんとアイデアもっているだろ」「知恵出さないやつは助けない、そのくらいの気持ちをもって」▼被災地を見下すような命令調は、宮城県庁でも続きました。知事に対し、「だから、ちゃんとやれ」。後から部屋に入ってきた知事に「自分が(先に)入ってからお客さん呼べ」と叱った時は、権力をかさにきて報道陣を脅しました。「オフレコです」「書いたらその社は終わり」▼大臣辞任のニュースが流れた時、日本共産党第3回中央委員会総会での志位委員長の報告を読んでいました。報告にあります。「民主党政権の大震災・原発への対応は、たいへんだらしがない」「現地の実情を無視した『上からの押し付け』と、増税論だけが突出しています」▼なるほど、松本氏の口ぶりと重なるではないか…。