2011年7月6日(水)「しんぶん赤旗」
松本復興相が辞任
被災地で暴言 就任わずか9日
岩手県、宮城県の被災地を訪れ「知恵を出さないところは助けない」などと暴言を吐いた松本龍復興担当相が5日、菅直人首相に辞表を提出し受理されました。松本氏は、防災相も辞任。後任の復興、防災相には、平野達男内閣府副大臣が任命され、同日夜、就任しました。
東日本大震災の救援・復興を担当する閣僚が上からの復興押し付けの暴言を繰り返し、就任からわずか9日で辞任したことは、菅直人首相の任命責任と内閣の責任が厳しく問われる事態です。
松本氏は5日、都内で記者会見し、「被災者を傷つけたことはおわびをする」と述べる一方、辞任の理由については「個人的な都合」「話せません」などと、反省もなく無責任な態度に終始しました。菅首相は、辞意表明の段階で慰留し、被災者の痛みより政権継続に固執する姿勢を示しました。
松本氏は3日、岩手、宮城両県知事との会談で、「知恵を出したところは助け、知恵を出さないところは助けない」「お客さんが来るときは自分が(まず部屋に)入ってからお客さんを呼べ」などと発言し、被災地からごうごうたる非難を浴びました。
また、一連の暴言を「書いた社は終わりだ」などと述べ、言論を封殺する態度までとりました。
菅首相は6月27日、新たに設けた復興相に松本氏を任命するにあたり、「被災地に関しては最もよく理解している方」と持ち上げていました。