2011年7月4日(月)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
本紙シリーズ企画「追跡 原発利益共同体」で2日付に載った日本原子力文化振興財団の「世論対策マニュアル」がインターネットの投稿サイトで反響を呼んでいます▼「みんな怒ろう」「われわれは愚かな大衆にすぎないのか。記事にした『赤旗』はえらい」「国民はなんとばかにされたものか」「税金で『安全神話』をつくっていたとは」と次々に感想が書き込まれています▼マニュアルは「繰り返し広報が必要である。新聞記事も、読者は三日すれば忘れる」と「刷り込み効果」を強調します。投稿で「みんな安全神話を刷り込まれていたんだ」と声が上がりました▼「泥遊びをすれば手が汚れるが、洗えばきれいになる」「不美人でも長所をほめ続ければ、美人になる。原子力はもともと美人なのだ」というマニュアルのたとえ話には「原発推進派の人間性がわかった」と書き込みがありました▼「停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが、大衆である」(マニュアル)には「原発を使わずに発電せよと言っているのだ」と反論がありました。マニュアルを貫くのは大衆蔑視の思想です。投稿した人たちはそのことを見抜き、批判しています▼「追跡」シリーズを読んだ本紙読者から編集局にメールが寄せられました。「草の根からの対話を通じて不破さんの『「科学の目」で原発災害を考える』パンフと『しんぶん赤旗』の普及にこつこつと取り組みます」。「安全神話」を突き崩すのは地に足を着けた活動です。