2011年7月4日(月)「しんぶん赤旗」

「水産特区」撤回、基盤整備を

宮城・石巻 漁業者ら「集い」


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(写真)報告する県漁協の木村会長=3日、宮城県石巻市

 東日本大震災で壊滅的被害を受けた宮城県の漁業の未来を考える集いが3日、木村稔県漁協会長を迎え、石巻専修大(石巻市)で開かれました。

 「東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター」が主催。漁師、水産加工など漁業関係者を含む約340人が参加し、政府の復興構想会議の提言に盛り込まれた漁業者を押しのける水産業復興特区の撤回を求める決意の場となりました。

 木村会長は、村井嘉浩県知事が提唱した水産特区について、もともと経団連のシンクタンク日本経済調査協議会が提言したものだとして「村井知事が漁師と相談して出したものではない」と指摘。「公平、平等に漁業権を行使できるのは、漁協があるからだ。漁協による漁業権の一元管理がなくなれば、安定した生産が維持できなくなる」と訴えました。

 水産加工業者、買受人協同組合関係者らが発言。水産加工会社ヤマトミの千葉雅俊社長は、復興には借金を重ねることになるとして「これまでの債務を棚上げしてもらいたい」と支援策を求めました。

 参加者もフロアでマイクを握り、「若い担い手を一生懸命育ててきたのに、特区構想が出た。怒りを覚える」(漁協関係者)と声を上げました。日本共産党の横田有史県議も、水産特区をめぐる県議会の動きを報告しました。

 採択したアピールは「岸壁と漁港の整備、市場を再建し製氷・冷凍・冷蔵・保管・流通の設備など、水産業の基盤整備を政府の責任で進めることを求める」と述べています。





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