2011年7月3日(日)「しんぶん赤旗」
原発ゼロへ2万人
福島から全国から
7・2緊急行動 東京・明治公園
「原発ゼロ」をめざし全国で大運動をおこそうと2日、東京・明治公園で開かれた7・2緊急行動(同実行委員会主催)。公園が人、人、人でうめつくされ、実行委員会が「集会参加者は2万人以上となりました」と発表。東京電力福島第1原発の事故後、最大級の集会となりました。 (志位委員長のあいさつ)
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志位委員長あいさつ
原発事故の被害が続く福島県からは、福島市、郡山市、いわき市から300人以上がバスを借り切って駆けつけるなど、北海道や九州、全国から続々と参加者が到着。
郡山市に住む男性(71)は、住んでいた福島県富岡町を原発事故で追われました。「いくつも避難所を転々とし、まるで国からがれきの一部として扱われているようでした。故郷を失う経験を誰にも繰り返させたくない」と語りました。
ツイッター(インターネット)や口コミで、これまで原発問題に関心がなかった人たちも、数多く参加しました。近所の友人に誘われ、4歳の娘を連れて参加した女性(32)は、「この子を外で遊ばせてもいいのか。政府が信用できないので、自分で勉強したくて来ました」と話しました。
「東京電力、国は海、空、大地を放射能汚染した責任を認め全面賠償せよ!」などスローガンが掲げられたステージでメーン集会が行われました。呼びかけ人を代表して伊東達也さん(原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員)が「国策によってもたらされた苦しみ、悩み、怒りを共有し、全国各地で草の根の運動に立ち上がろうではありませんか」と訴えると、会場から「そうだ!」といっせいに呼応する声があがりました。
来賓あいさつに立った日本共産党の志位和夫委員長は、「安全な原発などありません。世界有数の地震大国日本においては、ますますもってそんな原発はありえません。危険をなくす方法はただひとつ。原発をなくすしかない」「『原発からの撤退』の一点で力をあわせ、それを強く政府にせまっていこうじゃありませんか」と、呼びかけました。
福島瑞穂社民党党首、イタリア労働総同盟のメッセージが読み上げられました。
福島や静岡など原発立地県の元町長、住民、市民団体代表が、被害体験、原発ゼロへの切実な思いを次々に発言。ひときわ大きな共感を呼んだのは、愛媛大学3年生の中山歩美さんの発言でした。伊方原発がある愛媛県にすむ中山さんは、これまで自分たちは原発は絶対に必要なものと思いこまされてきたといいます。しかし、福島の事故後みんなと学ぶなかで、原発が必要な社会を政府や電力会社がつくりあげていたことを知りました。「私たちの未来に危険な原発はいりません」と訴えると、会場は歓声と拍手に包まれました。
集会は、「今日を契機に、『原発ゼロ』をめざす大運動を開始しましょう。この場に集まった私たちが、大運動の先頭に立ちましょう」とするアピールを採択。終了後、プラカードやブース企画でつくったグッズなどを持ち、都内をパレードしました。
メーン集会に先立ち約30のブースで、原発ゼロをめざす行動・運動の交流会、学習会、自然エネルギーの展示会などの企画が開催されました。
この日の行動は、JCJ(日本ジャーナリスト会議)によりインターネットで中継されました。