2011年7月2日(土)「しんぶん赤旗」
循環注水冷却を中止
福島第1 装置トラブル続く
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)のタービン建屋地下などにたまった高濃度放射能汚染水を処理するシステムは、トラブルが続き、たびたび運転を停止しています。東京電力は1日、仏社製の放射性物質除染装置が運転停止した問題で、水素がたまらないように排気をする弁がうまく動かなかったことと、セシウム吸着装置から通ってくる処理水をためるタンクの水位の調整値を誤ったことなどが重なった、と発表しました。
東電は、タンクの水位調整については作業上の確認事項をしなかったことが原因としてマニュアルを改訂するとともに、弁の方は撤去するといいます。
また東電は、高濃度汚染水を処理して原子炉の冷却に使う循環注水冷却を4日まで中止したと発表しました。
現在、原子炉には、高濃度汚染水を処理した水と、ろ過水タンクからの水の2系統から注水しています。今回、ろ過水タンクの水と処理水の両方を一つのタンクにためて、原子炉へ注水する経路を作るため、タンクを新設します。東電は、ポンプの安定性などが高まるといいます。原子炉への処理水の注水中止はタンクを新設するためです。