2011年7月2日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 きょうは半夏生(はんげしょう)。暦の本によると、江戸時代の農民にとって大切な節目の日でした▼半夏生は、文字どおり夏の半ば。農民は、この日までに田植えをすませた、といいます。どんなに天候が不順な年でも、以後は田植えをしない慣わしだったらしい。大気や土地が毒気をふくみ毒草も育つころというので、半夏生に野菜や山菜を食べない地域もあったようです▼現実に、球根に毒性をもつ野草、カラスビシャクが生えているころにあたります。カラスビシャクは、中国名で半夏。NHKが放送中の韓国ドラマ、「トンイ」にも出てきました。宮中で、王の愛人が半夏を用いて王妃を殺そうとした疑いがもちあがるのです▼カラスビシャクは、花をつける部分がミズバショウのような包み状で、ひしゃくに似ているからついた名前です。しかし、細長い“ひしゃく”からひげを1本上に伸ばす姿は、舌を出すヘビにもたとえられます。半夏生は、カラスビシャク、つまり半夏が生える時分でもあるのでしょう▼昔の農民たちが、毒気をおそれて種まきや田植えを控え、食べ物にも気をつけた半夏生。彼らがいまの日本をみたら、「毎日が半夏生か」と驚くかもしれません。もちろん彼らは、のちの時代に放射能というとてつもない“毒”が空中や大地、海にまでまき散らされようとは知るすべもありませんでした▼福島県に、「放射線量はいくらだ」が朝のあいさつになった地域も出てきました。きょう、「原発ゼロをめざす7・2緊急行動」です。





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