2011年7月2日(土)「しんぶん赤旗」
福島県民「原発廃炉」86%
共同センターのアンケートに返信
1700通 びっしり要望
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「原発がなければ、こんなに多くの人たちが苦しむことにならずにすんだのに、どうして原発を作ったのですか? 早くなくして、もう二度とこんなことはしないでほしい。原発廃炉!」。福島県の労働組合総連合や民主医療機関連合会などでつくる「ふくしま復興共同センター」が県民に呼びかけている「アンケートはがき」の返信が続々と寄せられています。1日現在で1734通に達しています。
賠償請求も8割
内訳は、「県内全ての原発を廃炉に」の項に1489人(85・8%)が「賛成」と回答。「東電に賠償請求したい」にも1409人(81・2%)が「はい」と答えています。
「国、県、東京電力に言いたいこと」の欄には、「子どもが『自分はがんで死ぬんだ』と言った時の心の痛み、あなたたちにわかりますか? 福島を安全・安心な県に戻して!」「原発風評被害で売り上げが5分の1に減少。生活・借金返済にも困ります。早急に東京電力に賠償してもらいたい」「父を返してください」など怒りや要望がびっしりと書き込まれています。
アンケートは50万枚作製。「共同センター」の構成団体を通じて会員に配るとともに新聞折り込みや一部地域では全戸へ配布しました。構成団体からの返信は100通ほどで、ほとんどが一般の県民からのものです。
アンケートの集約を担当している県労連顧問の小川英雄さんは「やっぱり子どもを心配する声が多い」と言います。「原発事故で避難し仮設住宅に入居しても、近くに工場がないので働けない、子どもも学校に通えないなどの問題が出ています。仮設住宅近くに工場を移転させ、職場、仮設、学校の3点を一体のものにしていくことが望まれます」と課題を語ります。
生の声伝えたい
共同センターは「原発事故の収束と全面補償を求める」署名も集めており、アンケートと合わせて、「県の復興会議や国、東電本社との交渉で県民の生の声を伝え、要望を実現していきたい」としています。