2011年6月30日(木)「しんぶん赤旗」
被災診療所に補助金
国の支援拡大も求める
岩手県
岩手県は被災した医療機関の復旧を支援するため、現在の国の枠組みでは補助の対象にならない民間の診療所などへの補助金4億8千万円を、このほど成立した6月の補正予算に盛り込みました。医療関係者は「宮城、福島にも広がるといい」「ぜひ国が支援を拡大してほしい」と語っています。
岩手県では東日本大震災により、94ある病院のうち三つの県立病院を含めた4施設が全壊、58施設が一部損壊。1530ある医科・歯科診療所のうち36施設が全壊、89施設が一部損壊しています(5月25日、厚労省医政局まとめ)。
国は第1次補正予算に医療施設への災害復旧費補助金70億円分を計上しました。しかし補助の対象は公的医療機関(再建費用の3分の2)のほか、救命救急センターなどの政策医療実施機関と、へき地診療所(同2分の1)に限定。民間の病院・医科診療所の大半と、すべての歯科診療所が対象外です。
岩手県が6月の補正予算に盛り込んだ補助金の対象は、国の補助の対象からもれた医療機関。被災の規模に応じて、建物の修繕や機材の購入などの経費を補助します。
同県保健福祉部医療推進課は「100前後の医療機関が対象になると想定している。同時に、国に対して国庫補助の対象拡大を求めている」と話します。
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員と田村智子参院議員は、国会審議で、国庫補助の規模や対象を拡大して民間の医療機関も支援するよう繰り返し要求。大塚耕平厚労副大臣は「2次補正で本格的な対応が必要になる」(4月25日の参院予算委員会)と答弁していました。
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