2011年6月29日(水)「しんぶん赤旗」
築地移転先
豊洲液状化108カ所
都が清水都議に答える
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東京都が築地市場(中央区)の移転先とする東京ガス工場跡地(江東区豊洲)で、東日本大震災により液状化した箇所が108カ所にのぼることが28日、明らかになりました。都議会経済・港湾委員会で日本共産党の清水ひで子都議に都中央卸売市場が答えました。
都は3月に目視調査で液状化による噴砂を確認。噴砂は青果卸・仲卸売り場予定地の5街区で23カ所、水産仲卸売り場予定地の6街区では85カ所で発生していました。水産卸売り場予定地の7街区では噴砂はなかったとしています。
日本共産党都議団は3月の現地調査で90カ所の噴砂を確認し、液状化と土壌汚染の全面的調査を行い、豊洲移転を中止するよう都に申し入れていました。
委員会で清水氏は「中・高濃度の汚染物質を含んだ土壌が液状化した」と指摘。「液状化がどこで起こったかは調査してみないと分からない」との専門家の見解を示して調査を求めましたが、都は「噴砂は小規模で水平方向への移動もない。全面的調査は必要ない」と拒否しました。
同予定地では、環境基準の最高4万3000倍の発がん性物質ベンゼン、930倍の猛毒シアン化合物が見つかり、市場関係者や都民の「毒の上に市場を移すな」という声が広がっています。
畑明郎・大阪市立大学特任教授の話 都は目視で噴砂の大きさを測っただけで、「豊洲の液状化の規模は小さい」としましたが、噴砂は液状化現象の一部、氷山の一角にすぎず、地中がどのように液状化し汚染物質が拡散しているかは、ボーリング調査をしなければ分かりません。噴砂の中にも汚染物質が出ている可能性があり、都は全面調査し情報公開すべきです。