2011年6月28日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 政府が国内の原発をすべてなくすことを決めて、世界から注目を浴びたドイツ。こんどは、国民的スポーツのサッカーで内外を盛り上げる日々がつづきそうです▼日本をふくむ16チームが頂点を競う女子のワールドカップ(W杯)がベルリンで開幕しました。3連覇をめざす地元ドイツが好発進し、日本はニュージーランドと対戦。主将の沢穂(ほ)希(まれ)選手は「ベスト4に入った北京五輪以上の成績を」と闘志を燃やします▼日本女子サッカーの歴史はまだ浅い。代表初試合は30年前のアジア選手権でした。W杯には第1回(91年)から出場していますが、最初は力の差が歴然。1点もとれず、全敗からのスタートでした▼男子に比べて競技環境は貧しく、選手も少ない。すそ野が広がり始めたのは、89年の国内リーグ誕生以降です。その後、サッカー関係者の努力もあって急速に伸びていきます。日本サッカー協会によれば、女子の登録選手、チーム数は30年前の約11倍に増えました▼強化もすすみ、2004年アテネ五輪でベスト8、そして北京五輪では準々決勝で地元中国を破るなど、旋風を巻き起こしました。国際サッカー連盟の世界ランキングも現在4位まで上昇中です▼発展してきたとはいえ、いまでも女子選手の多くは仕事をかかえながらのプレーです。代表の活躍は環境の改善にもつながります。「やり切ったと思えるぐらい走りきりたい。最後までひたむきにがんばる私たちの姿を見てほしい」。ドイツに旅立つ直前の沢選手の決意です。





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