2011年6月24日(金)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
暑い。ちょうど夏至の日から気温が上がり、体がついていけません。風がやんで空気の流れがよどむと、とたんにだるい▼夏至の日は、夜更かしをしてしまいました。テニスのウィンブルドン選手権のテレビ観戦です。優勝5回のビーナス・ウィリアムズ選手と互角に渡り合った、クルム伊達選手の試合。40歳の伊達選手の健闘に励まされましたが、やはり夜更かしは、熱中症のもとです▼早くも、茨城で熱中症とみられる高齢者の死亡が報じられました。東北の被災地でも、30度を超える気温を記録しています。被災者やボランティアの人たちが熱中症にかからないか、心配がつのります▼体の水分や塩分のつり合いが崩れて起こる熱中症。昨年は7月から9月の間に、全国で、熱中症と疑われる5万4千人近い人が救急車で運ばれました。ことしは、原発事故のもとで夏を迎えています。電気の行き過ぎた節約が人命を奪わないよう、要注意です▼「エアコン切れば原発止まる」。大阪の橋下知事が、取材を受ける場所の後ろに張り出した標語です。知事はいいます。「いよいよ停電するとなった時に、府県民にエアコンを切ってもらう」「できないなら、原発に依存するしかないことになる」▼しかし、節電を求められても、そこで府民の命をどうやって守るか考えぬくことが、知事の仕事でしょう。橋下知事は、大会社など産業関連には節電を求めないそうです。“熱中症で死にたくなければ「脱原発」をいうな”との、脅しにも聞こえます。