2011年6月23日(木)「しんぶん赤旗」
ハンセン病 追悼へ式典
国の支援姿勢に批判相次ぐ
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らい予防法で不当な差別を受けたハンセン病患者の名誉回復と追悼のための式典が22日、厚生労働省で開かれ、同省の玄関前に建立された「追悼の碑」の除幕が行われました。ハンセン病問題統一交渉団の関係者からは、国の支援姿勢を批判する発言が相次ぎました。
ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会(全原協)の谺(こだま)雄二会長があいさつ。「全面勝訴から10年たった今でも、厚労省を通じて法的責任を果たすとしながら、いまだいっこうにらちがあかない」と支援の遅れを批判しました。
全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)の神(こう)美知宏会長は「『全力を尽くす』を繰り返す政府関係者の言明が私たちにはうつろに響いている。行政改革を受けた職員の削減などによる介護の質の低下は、療養生活に深刻な影響を及ぼしている」と述べました。
菅直人首相は、「この法律が存在した結果、ハンセン病患者とその家族の尊厳が傷つけられ、筆舌に尽くしがたい苦しみを与えてしまったことを痛感した」と述べました。
日本共産党からは、高橋ちづ子衆院議員が出席。塩川鉄也衆院議員、市田忠義参院議員・書記局長からメッセージが届いていることが紹介されました。
統一交渉団は、厚労省に1日付で統一要求書を提出しており、式典後には、ハンセン病問題対策協議会が開催されました。
全療協の神会長が「療養所入所者の平均年齢は81・6歳。私たちはもう死んでいってしまう」と政治判断の必要性を訴えると、傍聴席からは拍手がおこりました。
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