2011年6月23日(木)「しんぶん赤旗」
会期延長に対する佐々木議員の討論
衆院本会議
22日の衆院本会議で行った会期延長に対する日本共産党の佐々木憲昭議員の討論は以下の通りです。
私は日本共産党を代表して通常国会の会期延長について討論を行います。
東日本大震災から100日を超え、死者・行方不明者は2万2943名にのぼり、今もなお、懸命の捜索活動が続けられています。いまだに多くの被災者が避難所や自宅での不自由な避難生活を強いられ、明日の暮らしが見えない状況にいらだちと不安をつのらせています。東京電力福島第1原発の事故では、事態の収束のめどがたたないまま、住民は住み慣れた土地を追われ、いつ戻れるのかわからない、つらい日々を送っています。
このもとで政府と国会に求められているのは、地震・津波、原発事故で破壊された被災者一人ひとりの生活基盤を再建するため、必要な支援を速やかに、かつ、具体的に行うことに全力をつくすことであります。
こうした見地から、わが党は、被災者の生活となりわい(生業)の土台の再建に必要な補正予算を実現すること、原発事故被害者の賠償、原発からの撤退などについてしっかり議論するため一定の会期延長が必要だという考えを表明してきました。
しかし、今回の会期延長をめぐっては重大な問題があります。
20日に開かれた与野党書記局長幹事長会談で、民主党の岡田幹事長は「120日間」におよぶ会期延長を提示しました。ところが昨日(21日)、民主・自民・公明の3党の密室協議で「50日間」と合意し、さらに今朝(22日)の与野党会談では「70日間」と、会期の延長幅を転々としてきました。しかも、政権中枢や3党の協議では、総理の進退と公債特例法案の成立をてんびんにかけ延長幅をうんぬんする議論がされてきたのです。およそ政権与党の体をなさない混迷ぶりであり、前代未聞の事態です。
これは、被災者や被災地を置き去りにした態度であり、断じて容認できません。
大事なことは、延長国会で何をやるかであります。
わが党が求めてきたように、被災者の生活基盤を再建するために必要な補正予算や二重ローンの解消、原発事故の賠償など、被災者支援のための国会にすべきです。やってはならないのは、被災者の生活再建を妨げ国民生活を苦しめる悪政を進めることであります。
菅内閣が進めている「税と社会保障の一体改革」の名による消費税の増税、日本農業を破壊するTPP(環太平洋連携協定)の推進、復興・救援のため頑張っている公務員の給与引き下げ、あるいは日米合意で辺野古への新米軍基地建設の押し付けなど、会期が延長されても、決してやってはなりません。
以上を指摘し、日本共産党は、被災者の生活基盤の再建を前にすすめていくという立場から国会会期延長に賛成することを表明し討論を終わります。
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