2011年6月22日(水)「しんぶん赤旗」

辺野古「V字案」日米合意

沖縄は県内「移設」反対で一致

「2プラス2」開催


 日米の外交・軍事閣僚からなる日米安全保障協議委員会(2プラス2)が21日午前(日本時間同日夜)、ワシントンで開かれ、沖縄県名護市辺野古に米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わるV字形滑走路の新基地を建設することで正式に合意しました。


馬毛島で離着陸訓練も

 今回の2プラス2は2007年5月以来、約4年ぶりで、民主党政権下では初めてです。

 民主党政権は当初、普天間基地の「県外・国外移設」を模索していましたが、昨年5月28日の日米合意で総選挙公約を覆して辺野古「移設」を確認。8月の日米専門家報告書で、新基地の形状について「V字」「I字」の2案を提示し、2プラス2で決定するとしていました。

 今回の共同文書では「V字」を明記。しかし、なぜV字を選択したのか、その理由はいっさい示されません。

 一方、「環境影響評価手続及び建設が著しい遅延がなく完了できる限り、この計画の微修正を考慮し得る」と変動の余地を残しています。

 自公政権時の06年5月に合意された米軍再編ロードマップでは、辺野古「移設」とグアムへの在沖縄海兵隊の移転期限は14年までとなっていましたが、これを「2014年より後のできる限り早い時期に完了させる」として先送りしました。

 また、南西諸島における自衛隊の新基地として、「(鹿児島県)馬毛島が検討対象となる」と明記。その際、硫黄島(東京都)で行われている米空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)の「恒久的な施設として使用される」としています。

 日米が共同開発している弾道ミサイル迎撃弾「SM3ブロック2A」については、第三国への輸出を容認。武器の輸出を禁じた「武器輸出三原則」のいっそうの形骸化を進める重大な動きです。

 普天間基地の辺野古「移設」に対しては06年当時は沖縄県知事、名護市長がV字形新基地を容認していましたが、現在は沖縄県全体が「普天間基地の県内移設反対」で一致しています。また、予算編成権を持つ米議会でも現行計画の修正を求める動きが強まっています。





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