2011年6月21日(火)「しんぶん赤旗」
被ばく限度超9人目
20代東電社員 検査未実施125人
東京電力は20日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で新たに1人が、緊急時の被ばく線量限度250ミリシーベルトを超えていたことがわかったと発表しました。同原発で事故が発生した3月に働いていて被ばく線量限度を超えた人は9人となりました。
東電によると、新たに限度を超えていたことがわかったのは20代の男性社員で1〜4号機の保全班員。事故後、中央制御室で計器の復旧作業などに当たっていました。
日本原子力研究開発機構で内部被ばく線量を調べるホールボディーカウンターで検査をした結果、300・5ミリシーベルトの内部被ばくをしていたことがわかったといいます。外部被ばく線量と合わせると、約335ミリシーベルト被ばくしたことになります。
1号機で水素爆発が起きた3月12日に放射性ヨウ素131を摂取し、甲状腺に蓄積したものとみられますが、ヨウ素131が甲状腺に蓄積するのを防ぐヨウ素剤を服用したのは、同28日でした。
また、東電は、すでに限度を超えていたことがわかっていた8人のうち50代の男性社員の被ばく線量が内部と外部合わせて352・08ミリシーベルトに確定したことを明らかにしました。8人のうち、30代と40代の男性社員の被ばく線量については内部と外部合わせてそれぞれ678・08ミリシーベルトと643・07ミリシーベルトと確定しています。
一方、東電は3月に同原発で働いていた3639人に対する内部被ばく調査の実施状況(18日現在)を発表。まだ125人が受けておらず、このうち、関連企業の69人が退職して連絡がとれない状況だとしています。
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