2011年6月20日(月)「しんぶん赤旗」
主張
震災100と1日
血の通った対策で希望しめせ
東日本大震災の発生した3月11日から昨日で100日目でした。
亡くなった人は1万5000人を超し、いまだに7000人以上が行方不明です。がれきの処理や捜索で、毎日のように亡くなった人が見つかっています。
行方不明の身寄りを捜して、なお歩き続ける人もいます。亡くなった人を悼みながら、100日を機に生活の再建に取り組もうとしている人もいます。いずれにせよ被災者への国や自治体の支援はまだまだ不十分です。文字通り血の通った対策で被災者を支え、希望をしめしていくことが急務です。
被災者支援は国の責務
6月になってからの内閣府の調査によると、震災で全国に避難している被災者は、避難所や旅館・ホテル、親族・知人宅などに10万1640人、被災した岩手、宮城、福島の3県以外の公営、仮設などの住宅に入っている人を含めると12万4594人にのぼります。震災から100日たっても、ひとつの都市の住民が丸々避難生活を続けているほどのすさまじさです。だいたい3カ月たって初めて避難のこうした実態が明らかにされること自体、政府の怠慢といわれても仕方がないものです。
震災の被害だけでなく、地震と津波で大事故を起こした東京電力福島第1原発ではいまだ収束のめどが立たず、事故から3カ月たって、「計画的避難区域」や「特定避難勧奨地点」(ホットスポット)からの新たな避難を求められる状況です。大震災の被災者にも、原発事故の被災者にも、手厚い支援の手が差し伸べられることには一刻の猶予も許されません。
日本国憲法は13条で「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を定め、25条ですべての国民が「健康で文化的な最低限度の生活」が営めるよう、政府が責任を果たすよう求めています。大震災や原発事故で日常の暮らしを奪われた被災者の生活を支援し、再建を手助けするのは、憲法が求める国の責任です。支援の手が行き届かず、避難先での「震災関連死」など「二次被害」が相次いでいるのは、まさに憲法に反する実態というほかありません。
政府の対策は遅く、不十分です。政府が提出し、民主、自民、公明などが「修正」した「東日本大震災復興基本法」が週明けにも成立させられようとしていますが、その「基本理念」(第2条)には、「21世紀半ばにおける日本のあるべき姿をめざして」などのことばが並ぶだけで、肝心の被災者の生活と地域を再建することばがありません。本当に被災者を主役にし、上からの計画の押し付けではなく、被災者の生活と生業(なりわい)の再建を復興の土台にする立場を明確にすることが求められます。
希望が持てる2次補正を
仮設住宅ができても、避難所から仮設に移れば支援が受けられなくなると入居をためらったり、大幅に遅れている義援金や支援金の支給があったとたん生活保護が打ち切られたりするなどは、本来あってはならないことです。
被災者への支援金支給や、農漁業の再建に不可欠な第2次補正予算案の編成もこれからです。被災者を苦しめる「二重ローン」対策や、原発被害の賠償のための法案も急がれます。被災者が希望をもって一歩を踏み出せるかどうかは、国の支援にかかっています。