2011年6月20日(月)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
人類は、わずか30年余りの間に3回もの重大事故を体験した。日本共産党の提言「原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を」は、こう語りかけます▼アメリカのスリーマイル島原発事故、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故、そして福島第1原発事故。しかし、日本政府は前の二つの重大事故から、学ぼうとしませんでした▼学術団体が放射能汚染の監視に関して出した提言には、放射性物質を広範囲に拡散させたチェルノブイリ事故からの知見を参考にした意見が述べられています。日本海洋学会は、現行の観測が、近隣国や環太平洋諸国を納得・安心させるに足りる広域での観測がされていないと指摘します▼そのなかで、チェルノブイリ事故での放射性物質の影響は「スズキで半年、底生魚類マダラでは1年後に汚染ピークが観測されている」と。これは食物連鎖や海底の泥を通じて、汚染が長期化するためで、2年以上監視する必要があると提案します▼山階鳥類研究所が発表した「東日本大震災に関する鳥類の保全に向けての提言」をみると、アメリカではチェルノブイリ原発事故をきっかけに鳥類の個体数変動を監視する国家プロジェクトが開始されたことも紹介▼チェルノブイリ原発事故で個体数の減少などが報告され、影響は長期に及び、事故後25年を経た今も続いており、個体数の変動を長期間にわたって監視することを提言します。海洋も鳥も世界に広がっています。日本のさまざまな取り組みは世界の問題です。