2011年6月18日(土)「しんぶん赤旗」

相続手続き期間延長へ

民法特例法案を可決

参院本会議


 東日本大震災の被災者を対象に相続の手続き期間を11月30日まで延長する民法特例法案が17日の参院本会議で全会一致で可決され成立しました。現行法は、相続権の発生から3カ月以内に財産(借金を含む)の相続・放棄手続きをするよう定めています。特例法案は、手続き期間(熟慮期間)を延長することにより、被災者が意図せずに借金を背負うことを避けるものです。

 16日の参院法務委員会での質疑で日本共産党の井上哲士議員は、法案では8月末までに被災者の生活が安定することを前提に延長期間を定めていることを指摘。原発被害への補償など被災地には相続財産を確定する上でさまざまな問題が山積しているとして、「延長が短すぎるのではないか」「状況によれば再延長も考えられるのか」とただしました。法案提出者の辻恵衆院議員(民主党)は「とりあえず判断する余裕ができるまで延ばした。必要な人は個別に延長申請ができる」と答弁しました。

 また井上氏は、債務返済が3カ月以上滞った場合に行われる延滞情報(ブラックリスト)の登録への不安が広がっていることを指摘。現在、指定信用機関や銀行では被災者に配慮し「当面の間、登録は行わない」としているが、「民間まかせにせず、政府として働きかけるべきだ」と主張しました。

 金融庁の森信親審議官は「現在、金融機関が行っている取り扱いが時期尚早に変更されて、被災した債務者が大きな不利益を被ることがないよう注視する」と答えました。





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