2011年6月18日(土)「しんぶん赤旗」
原発からの撤退 決断を
共産党の「提言」示し迫る
参院復興特で紙議員
日本共産党の紙智子議員は17日の参院東日本大震災復興特別委員会で菅直人首相に「原発からの撤退」を決断するよう正面から迫りました。
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紙氏は、福島原発事故ではいまも8万3000人の人々がいつ戻れるか分からない避難生活を強いられており、相馬市では酪農家が「原発さえなければ」と書き残して亡くなったことを指摘。「ひとたび事故が起きたら、他の事故とはまったく違う異常な深刻な危機をもたらすのが原発事故だ」と述べました。
その上で、ドイツでは2022年までに原発閉鎖を決定し、イタリアは原発再開の是非を問う国民投票で反対が9割を超えたことを挙げ「日本でこそ、今回の事故から教訓を受け止め、いまこそ、原発からの撤退に向けて踏み出すべきではないか」とただしました。
菅首相は、「3カ月たっても安定した状態にならず、長期にわたる深刻な事故だ」とした上で、原発からの撤退については「再生可能エネルギーを拡大し、すべてがまかなえるようになれば、原子力エネルギーも要らないとなるが、そこまで見える状況ではない」と答弁。「一方で再生可能エネルギーを拡大し、一方では原子力について安全性を徹底的に追求する」と述べました。
紙氏は「撤退については一言も言わなかった」と批判。福島県の復興ビジョンが基本理念として「福島の地において脱原発という考えの下、原子力への依存から脱却し再生可能エネルギーの飛躍的推進」と書いていることは重く受け止めなければならないと強調。世論調査でも原発の段階的廃止が74%となっていることを示しました。
さらに、日本共産党は提言「原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を」で(1)原発撤退を決断し、5〜10年以内の撤退のプログラムを策定する(2)自然エネルギーの本格的導入(3)独立した規制機関をつくる(4)エネルギー浪費型の社会からの転換―を掲げていることをパネル(図)を使って示し、二度と悲惨な事故を繰り返さないため、原発から撤退するしかないと力を込めました。
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