2011年6月17日(金)「しんぶん赤旗」
米議員「海外基地閉鎖を」
支出抑制へ上院国防予算公聴会
ゲーツ氏 国内だと維持費用増える
【ワシントン=小林俊哉】米上院歳出委員会の国防小委員会は15日、2012財政年度(11年10月〜12年9月)の国防予算案をめぐって公聴会を開きました。議員側からは、支出抑制のために海外米軍基地閉鎖の検討を求める意見が出ましたが、軍サイドは「(議論は)注意深くしなければならない」(マレン統合参謀本部議長)と慎重な姿勢を示しました。
与党・民主党のミカルスキ議員は、ドイツなど欧州の米軍基地を念頭に「海外基地の閉鎖についても考えるべきときではないか」と主張。野党・共和党のマカウスキ議員も、在沖縄海兵隊のグアム移転の遅れに関し、「予算を緊縮しなければならない中で、現行の方向について大きな変更があるとみていいのか」と質問しました。
ゲーツ国防長官は、海外基地を閉鎖する場合は、米国内に代替施設を新規に建設する必要が出てくるとして、「(海外基地の継続より)費用が増える」と主張。一方で、国防総省内で現在、米軍の海外展開態勢について議論をしているとも述べました。
ただゲーツ氏は、国防予算を削減しながら、米軍が海外展開を削減し、基地を閉鎖することは「米国がもう店じまいをして、国に帰るというメッセージを、中国、イラン、北朝鮮などに送ることになる」と述べ、抑止力維持の観点から好ましくないとしました。