2011年6月17日(金)「しんぶん赤旗」

リビア作戦は憲法違反

米10議員が大統領提訴


 【ワシントン=西村央】米連邦議会下院のデニス・クシニチ議員(民主)、ウォルター・ジョーンズ議員(共和)ら10人の議員は15日、リビアでの軍事作戦を議会承認なしに実施したのは憲法違反だとして、オバマ大統領とゲーツ国防長官を連邦地裁に提訴しました。

 訴状は、オバマ大統領が米国憲法第1条8節で定められている議会による戦争宣言がないまま、リビアの軍事作戦を開始したと指摘し、これを違法としています。

 米国憲法とは別に、1973年に成立した戦争権限法では、議会による戦争宣言がないまま始めた軍事行動については、60日以内に議会の承認が必要だとされています。この点でも、80日以上経過しても議会承認がないことで、違法性があるとしています。

 クシニチ議員は自身のホームページで「こうした違法な政策から米国民を保護するために、提訴に踏み切った」と語っています。

 一方、米政権側は同日、リビア軍事作戦についての報告書を議会に提出しました。

 このなかで、作戦は国連決議に基づく限定的で“サポート的”な役割だとして、議会承認は必要ないとの見解を示しました。リビア戦費については、9月末までで11億ドルにのぼるとしました。

 ワシントン・ポスト(電子版)は、ホワイトハウス高官の話として、「持続的な戦闘には関与していないし、地上部隊も送っていない」との主張を伝えています。





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