2011年6月17日(金)「しんぶん赤旗」

主張

7・2緊急行動

原発ゼロめざす国民の運動を


 東京電力福島第1原発の重大事故は、発生から3カ月たっても収束のめどがたたず、被害がいつまで、どこまで広がるのかさえ分からない状態です。原発事故の、他の災害とはまったく違う「異質」な危険性や深刻さが、次々と明らかになっています。

 原発と暮らしは両立できない、原発はいらない、原発依存のエネルギー政策は根本的な転換をと求める声は、世界でも日本でも急速に広がっています。いまこそ「原発ゼロ」をめざして世論と運動を広げることは、国民的な緊急課題になっています。

原発いらない!を世論に

 原発からの撤退を求めるさまざまな行動が全国各地で始まっています。その声をさらに大きくし、原発をゼロにする世論と運動を全国的に発展させることをめざして、7月2日午前11時から、東京・明治公園で、「原発ゼロをめざす緊急行動」が呼びかけられています。

 行動を呼びかけたのは、安斎育郎、飯田哲也、市原悦子、伊東達也、菊池紘、根岸季衣、野口邦和、肥田舜太郎、本間慎、湯川れい子の各氏です(50音順、肩書は省略)。10人のよびかけ人と、賛同する団体・個人による実行委員会が主催します。

 緊急行動は、「原発ゼロ」をめざす一点で共同しようというものです。実行委員会では、各界各層の幅広い人たちが、「原発ゼロ」をめざす取り組みや思いを持ち寄り交流しあう企画をたて、若い人たちや子育て世代をはじめ、原発問題に関心をもつ人なら誰でも参加できる集会とパレードにしようと計画しています。

 この行動を豊かに大成功させることは、緊急の課題となっている東京電力福島原発事故の収束と被災者への全面賠償を実現させるとともに、「原発ゼロ」の国民的合意をひろげ、「原発ゼロ」にむけた決断を政府にせまっていく中心的な流れをつくるうえで、重要な意義をもちます。

 日本共産党は、「原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を」の提言を発表し、国民的な討論と合意を呼びかけています。提言では、「安全な原発などありえない」と原発からの撤退の決断を政府に求め、5〜10年以内に「原発ゼロ」のプログラムを策定するよう求めています。

 同時に提言は、自然エネルギーの本格的導入と低エネルギー社会への転換にとりくむことによって打開の展望があることを、具体的に明らかにしています。

 ひとたび重大事故が起きれば取り返しのつかない事態を引き起こす原発を国民は許容していいのか。原発と日本社会は共存しうるのか―。福島原発事故が突きつけている根本的な問題にこたえるために、日本共産党は「原発ゼロ」の実現に力をつくしていきます。

国民的な合意形成めざし

 全国では「7・2緊急行動」とともに、6月25日には福島市で「原発なくそう・もう一度自然豊かな福島を」の集会が、7月23日には静岡市で「浜岡原発の永久停止・廃炉」を求める集会なども計画されています。

 東電福島原発の大事故を目の当たりにしながらいまだに原発と「安全神話」にしがみつく勢力を追い詰めるために、一つ一つの行動を成功させることが重要です。





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