2011年6月17日(金)「しんぶん赤旗」

被災義援金理由の生活保護停止

日弁連「国は是正指導を」

守る会も政府要請


 被災地で義援金などを収入認定して生活保護を打ち切る動きがでているなか、日本弁護士連合会の宇都宮健児会長は16日までに、打ち切りが広がることを懸念する声明を発表しました。また、各地の生活と健康を守る会も「善意で寄せられた義援金を収入認定するな」と政府や各自治体に対して申し入れをしています。

 福島県の南相馬市といわき市は、義援金や原発事故の補償金を収入認定して約150件の生活保護を打ち切りました。日弁連声明は同様の例が被災地で相次いでいると指摘。厚生労働省が5月2日に出した「通知」にふれ、「通知に反する運用の是正指導を徹底するよう」国に求めています。

 同通知は、義援金などの取り扱いにかかわって「被災者の被災状況や意向を十分に配慮し、一律・機械的な取り扱いとならないよう留意する」ことを自治体に要請しています。

 被災地では、生活保護受給者の間で、打ち切りへの不安が渦巻いています。全国生活と健康を守る会連合会は5月20日に義援金などを収入認定しないよう政府と交渉。福島県南相馬市では、保護費が支給されていない事例を受けて地元の守る会が今月10日、市に「義援金の第1次分は収入認定しないこと」などを申し入れました。宮城県内でも各地の守る会が自治体と交渉しています。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp