2011年6月16日(木)「しんぶん赤旗」
世界の子ども 1億1500万人が有害労働
ILOが告発
2008年の時点で、世界中の子ども(5歳以上17歳以下)約2億1500万人が労働に従事しており、その半数以上の約1億1500万人が負傷、疾病、死亡の危険のある有害な労働に従事させられている―国際労働機関(ILO)は10日、ジュネーブで開催中のILO総会に提出した報告書でこんな実態を告発しました。
報告書は有害労働に従事する子どもの数は全体では減っているものの、15歳以上の年長者では増加しているとしています。
報告書は、11日の世界児童労働デーを前に公表されました。
それによると有害労働に従事している子どもは、世界の子ども15億8600万人の7・3%に当たり、サハラ以南アフリカ諸国では15・1%にも達しています。また、有害労働に従事している15歳から17歳までの子どもの数は、04年の5200万人から08年には6200万人に20%増加しました。
一方、5〜14歳の年少の子どもでは同期間に有害労働が34%減少し、女児でも24%減少しています。有害労働に従事する子どものうち3分の1が男児でした。
同報告書は、有害な労働は心身の成長期にある年長の子どもに大きな影響を与えると指摘。発展途上国に限らず、欧米諸国など工業先進国でも労働災害による死傷率は子どもの方が成人より高いと述べています。
報告は、有害な労働が行われている産業分野として、農業、漁業、林業、牧畜、水産養殖、鉱山・採石などから家内労働まで、ほとんどの分野を挙げています。
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