2011年6月16日(木)「しんぶん赤旗」

米要求で23空港・港湾調査

ウィキリークス公表 08年、朝鮮有事想定


 米側が2008年、「朝鮮半島有事」を想定した日米共同概念計画5055(CONPLAN5055)に反映させるため日本の民間空港・港湾の調査を要求し、日本側も応じていたことが、内部告発サイト「ウィキリークス」が15日、公表した米秘密公電で明らかになりました。

 それによると、米側は空港・港湾23カ所の調査を要求。地名は挙げていませんが、少なくとも下関港(山口県)や関西国際空港(大阪府)、長崎が対象になっています。

 08年7月31日付公電によると、同月17日に日本で開かれた会合で米太平洋軍の代表が23の空港・港湾の調査を要求し、「現在の作戦計画の最大のリスクの一つは、日本の空港・港湾への早期のアクセス(計画)を持っていないことだ」と強調。必要となる駐機場の数や乗員数、貨物量、燃料の所要量などを説明しました。

 さらに、米軍の物資や兵員・装備を輸送するために、(1)戦争開始の少なくとも2日前から毎日24時間、空港・港湾に入ることができる(2)要請から48時間後に使用が可能になるよう要求しました。

 出席したマーンケン米国防次官補代理は、この時点で2空港、2港湾の調査が終了していることに謝意を示しつつ、残りの調査を期限を切って行うよう要求。これに対して日本側は「次回の調査は(08年)8月に下関港で行う」と述べた上で、(1)(被爆地)長崎のような歴史的理由(2)野党勢力が強い地域(3)関西国際空港のように政府所管ではない―として、調査の困難さを説明しました。

 それでも米側は調査を執ように要求。08年11月11日付公電によると、10月7日、在日米軍司令部は「5055」の更新期限を09年9月と定め、民間空港・港湾のデータを反映させるため、それまでに調査を終えるよう求めました。

 最終的に調査が完了したかどうかは不明ですが、同公電では「統合幕僚監部の代表はその点に同意した」と記されています。





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