2011年6月15日(水)「しんぶん赤旗」

伊「原発ノー」94%

国民投票 福島事故で流れ加速


 原子力発電所を全廃したイタリアで12、13の両日実施された原発復活計画の是非を問う国民投票は、復活への反対票が圧倒的多数を占めました。イタリア国民は、原発全廃を決めた24年前の国民投票に続き、改めて原発拒否の姿勢を明確にしました。東京電力福島第1原発の事故は同国の脱原発世論を加速させました。国民投票で脱原発方針を確認したのは世界で初めてです。

 内務省の最終集計によると、在外投票者を含めた投票率は54・79%で、国民投票の成立要件となる50%を超えました。原発復活に反対は有効投票総数の94・05%。全有権者に対する比率は50・86%と絶対多数に達し、文字通り国民多数の意思が示されました。

 3年前に原発復活へと政府方針を転換させたベルルスコーニ首相は13日、敗北を認める声明を出し、国民投票の成立を「国の未来に関する決定に参加しようという市民の意思を示すもの」だと表明。国民投票の結果を「政府と議会は全面的に受け入れる義務がある」と述べました。

 一方、原発反対の運動を進めてきた環境団体レガンビエンテのビットリオ・コリアティ・デッツァ会長は「きょう原子力の時代は終わりを迎える。国にとって新たな発展の季節が始まる」と勝利を宣言しました。

 現地からの報道によると、原発反対派の野党や環境団体、一般市民らが13日午後、ローマ市庁舎近くの「真実の口」広場に集まり、口々に「変化が始まった」「民主主義の勝利だ」などと叫んで、勝利を喜び合いました。





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