2011年6月14日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 日曜日のお昼時、そのラーメン店は温かい笑顔に包まれていました。「再開できてよかったね」「食べると元気がわいてくるよ」。常連客や近所の人に声をかけられ、店主の小畑昇一さん(68)とその家族の顔がほころびます▼津波で大きな被害を受けた宮城県岩沼市の沿岸部にある「味一番」。4日から営業再開しました。この店を最初に訪ねたのは、日本共産党の松田由雄前市議らの被災者訪問活動に同行した4月6日。1メートル以上浸水したという店舗は壊れて、中まで泥だらけでした▼隣接する自宅の泥をかき出して妻や娘、孫と6人での在宅被災者生活。車3台も流されて買い物にも行けません。「ラーメン屋がカップラーメンばかり食べている」と嘆き、「コメや日常品が今すぐにでも欲しい」と▼これに応え松田さんたちは、全国からの支援物資をトラックで運び、小畑さん宅の庭先を借りて、地域住民への「無料青空市」を開きました▼すっかりきれいに修理された店内。店舗への公的支援はないので、自力で多額の修繕費を借りました。「元気なうちに返しきれるかどうか」、不安も残ります。本紙の「被災者200人アンケート」では、国の全面支援を求める声が9割。生活再建の要です▼取引先の肉屋さんが営業できていない関係で、少しスープの味が変わったというみそラーメンをいただきました。温かく元気の出る「復興の味」です。ちなみに肉屋さんも近日中に営業再開すると、小畑さんはうれしそうに教えてくれました。





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