2011年6月14日(火)「しんぶん赤旗」
被災者置き去りやめよ
NHK番組 穀田氏主張
2次補正へ政治責任を
日本共産党の穀田恵二国会対策委員長は12日のNHK「日曜討論」で各党国対責任者と議論しました。
穀田氏は、「菅首相退陣」や国会の会期延長をめぐる民主、自民、公明などの駆け引きについて「被災地をほっておいて、いつまで政局にうつつをぬかしているのかというのが国民の声だ」と指摘し、「被災者置き去りの政治がこれ以上続いてはならない」と批判しました。
いま国会が果たすべき役割として穀田氏は、「大震災から3カ月たち、依然8万8千人以上の方々が避難所暮らしをされている。生活再建や、生業(なりわい)も展望が見えない。スピードをあげて復旧・復興を行うと同時に、それを行いうる2次補正予算をくむ政治責任を果たすかどうかが問われている」と述べました。
22日閉会予定の通常国会の会期をめぐって自民、公明が「菅首相退陣」の駆け引きの材料とする姿勢を示したのに対し、穀田氏は「何のための会期延長かということが問題。震災対策を前進させるかどうかが、すべての基準だ」と指摘。住宅再建、がれき処理、二重ローンの解消、債務凍結・減免、漁船や養殖業者に対する100%の公費負担、被災地のインフラの回復、原発問題の放射能汚染対策や被災者への仮払いの早期支払いなどの課題を列挙し、「政権がどうなろうとも、被災地の声を聞いて、それを実行するのに必要な会期がどれほどかを考えるべきだ」と提起しました。
たちあがれ日本の園田博之幹事長は「穀田さんが言った通りで、何をやるために何日間必要かという議論をしないと意味ない」と述べ、民主党の安住淳国対委員長も「穀田さん、園田さんが言うように、何をやるのかに必然性を求めて延長幅を」と発言しました。
2次補正予算について穀田氏は「被災者がいま何を必要としているかをしっかり見極めることだ。そのうえで四つの視点があると思う。第一は個人の生活を雇用を含めてどう保障していくか。第二に生業、中小業者や漁業や農業をどうするか。第三にインフラと原発(収束)対応。第四は放射能対応と被災地の仮払い。この四つの基本をしっかり急ぐべきだ」と述べました。
民主党の安住氏が赤字国債の発行を可能にする特例公債法案の成立を何度も強調したのに対し、穀田氏は「予算の中身の方が問題だ」と批判。「法人税減税や証券優遇税制で大企業と大資産家に2兆円もばらまく。政党助成金を分け取りする。あれだけの大事故が起きているのに原発推進の予算だ。三つの問題をやめて震災対策を進めるために抜本的組み替えが必要だ」と強調しました。そのうえで復興構想会議が復興財源として消費税増税を言い出していることを批判しました。
「大連立」に通じる動きとして穀田氏は復興基本法案や証券優遇税制で「民主、自民、公明の3党が決めたことを国会で押しつけてくるやり方が出てきている」と警告。「森(喜朗)元首相が原発、税と社会保障の一体改革、選挙制度、憲法の四つを通す『絶好のチャンス』だと言っている。『大連立』は本当に危険な道だ」と批判し、「このままの政治でいいのかが問われる。原発依存を続ける政治に対して自公から(転換の)意見は出てこない。だから根本的転換をしなければならない」と主張しました。
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