2011年6月14日(火)「しんぶん赤旗」
原発反対が圧勝
イタリア国民投票
原子力発電所を全廃したイタリアで12、13の両日、復活の是非を問う国民投票が実施されました。投票は13日午後3時(日本時間同午後10時)に締め切られ、直ちに開票作業が始まり、原発復活に反対の票が圧倒的多数を占める勢いをみせています。
ベルルスコーニ首相は「原発を放棄する準備をしなければならない」と述べ、事実上の敗北宣言をしました。
欧州では、福島第1原発事故を受け、ドイツやスイスが原発の廃止を決定しており、「脱原発」の流れをさらに勢いづけることになりそうです。
イタリアでは86年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故の翌年に実施された国民投票で原発廃止を決定。しかし2008年に発足したベルルスコーニ政権は原発復活を表明し、野党議員などの申請した国民投票を利用して国民から承認を得ることを狙いました。
福島第1原発事故後、国民の間に広がる反原発感情を恐れて、ベルルスコーニ政権は一転して国民投票の回避を意図して復活計画の無期限凍結を決定。最高裁(破棄院)は民意に委ねるべきだとして国民投票の実施を支持しました。