2011年6月12日(日)「しんぶん赤旗」
原発いらない
東京 2万人がデモ
東電福島第1原発の事故から3カ月となった11日、全国各地で、原発からの撤退を訴えるパレードやシンポジウムなど多彩な取り組みが行われました。
3回目となる「原発やめろデモ」は、東京・新宿で行われ、2万人(主催者発表)が参加しました。
高円寺で中古品店を経営する男性(36)が「危ない事故を起こし、いまだに原発を動かすなんて、世界にみっともない。世の中を変える動きをつくっていこう」とあいさつしました。
社会学者の小熊英二さん、作家の雨宮処凛さんらが次々とアピールしました。
友人に誘われ、「LOVE福島 過ちは繰り返しませぬから」のプラカードを持って初参加の女性(33)=世田谷区、会社員=の実家は浜岡原発の隣町にあります。「実家はお茶畑をたくさんもっています。浜岡原発がまた何年かすると動きだすなんて怖い。自然エネルギーに転換してほしい」と話しました。
日本の未来変えられる
デモ終了後、新宿駅前は熱気
都内でデモ行進を終えた参加者たちは夕方には新宿駅東口の新宿アルタ前に合流しました。
「原発いらない」の思いを込めたプラカードやのぼりがあふれ、マイク宣伝に足を止めて聞き入る聴衆と、デモ参加者が交じり、身動きもできないほどの状況に。
「自然エネルギー以外に、原発に代わるもう一つ大きな力をきょう発見しました。僕たちのこのパワーがあれば日本の未来は変えられます」との訴えに、大きな拍手と歓声が湧きあがりました。
福島県からかけつけた女性は、「これ以上、原発の被害者を増やさないでください。私たちだけで十分です」と、悲痛な声で叫びます。
日本共産党の笠井亮衆院議員も参加し、あいさつしました。
京都 「自然エネ増やせ」
「6・11脱原発100万人アクション」に呼応する行動が京都府内各地で取り組まれました。
民青同盟京都府委員会や学生らでつくる「6・11原発ゼロアクション」実行委員会が呼びかけた、京都市内でのデモ行進には、200人を超える老若男女が参加。風船や鳴り物、プラカードを手に、「原子力依存は嫌だ」「日本政府は自然エネルギーを増やせ」「安全なエネルギーを使いたい」などと唱和し、市民にアピールしました。
デモに先立つ京都市役所前でのミニ集会で発言した男性(22)=京都市=は、福島県南相馬市での震災ボランティアの経験を報告。放射能汚染で生活の見通しが立たない農家の声を紹介し、「原発の恩恵を受けてきた僕たちが、原発をどう考えるのかアピールし、関心のない人にも呼びかけたい」とのべました。
神戸市からたまたま京都市内の実家に戻り、姉に誘われて参加した女性(19)=学生=は、「技術的にも未完成で危険な原発ではなく、自然エネルギーに代えてほしい」と話しました。
ママ友だち3人で参加した女性(34)=滋賀県草津市=は、「原発事故は他人ごとでない。子どもや未来のことを考えると原発は心配」と語り、背負った子どもに「エネルギーシフト」のプラカードをつけて行進しました。
デモ参加者が終点の円山公園をめざす途中、「原発ゼロ・被災者救援」の宣伝をしていた日本共産党京都市議団の議員らが、行動を激励しました。
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