2011年6月11日(土)「しんぶん赤旗」
復興口実に増税への道
「復興基本法案」衆院通過 被災者こそ主役
高橋議員批判
民主、自民、公明3党提出の復興基本法案が10日、衆院本会議で賛成多数で可決されました。日本共産党の高橋ちづ子議員は反対討論にたち、「今求められているのは被災者一人ひとりの生活基盤を再建すること。そのための支援を速やかにかつ具体的に行うことだ」と主張しました。
高橋氏は、復興の基本は被災者が主役で上からの押し付けではいけないこと、生活の基盤である住まいと生業の再建が復興の土台だと主張してきたが、「そうした肝心の点があいまいだ」と批判しました。
法案が掲げる「21世紀半ばにおける日本のあるべき姿」「先導的な施策」とは、大企業の要求にこたえる「新成長戦略」であり、漁港の集約と企業参入を進める水産復興特区のように、「壊滅的な被害を受けた地域に、この際とばかりに規制緩和、自由貿易などを叫び、被災者が置き去りにされている」と述べました。
国が定める基本方針を踏まえた地方公共団体の「責務」を定め上からの押し付けが可能になる仕組みを盛り込んだことは認められないと強調しました。
さらに高橋氏は、復興財源に増税を打ち出している復興構想会議を法的に位置づけるもので、「復興を口実とした消費税大増税に道を開くことになりかねない」と批判。福島原発事故の復興についても、事故収束のめどがついたら復興に取り組むとしているにすぎないことをあげ、「あらゆる損害への補償、長期的な生活支援と健康対策、故郷の再生と人々が戻れるように特別の枠組みが必要だ」と求めました。
賛成討論で自民党の加藤勝信議員は、「自民党案を丸のみしていただいた」と評価。反対したみんなの党の柿沢未途議員は、財源として、労働保険特別会計の取り崩しや国債の日銀引き受けなど国民生活を脅かす主張を展開しました。