2011年6月11日(土)「しんぶん赤旗」
東日本大震災3カ月
“生活苦しい”7割
被災者200人アンケート 9割が国の支援要求
東日本大震災の発生から11日で3カ月。本紙は岩手、宮城、福島3県の被災者への「200人実態アンケート」を1週間かけて行い、置かれている状況や要望などを聞きました。被災者の先の見えない苦しみと不安、生活と産業再建に向けて国の全面支援を求める強い願いがあふれました。(東日本大震災取材団)
アンケートは、仮設住宅、借り上げ住宅、避難所、損壊した自宅などで暮らす18歳から88歳までの被災者(無作為)を本紙記者が直接訪ね、実施しました。
「震災後の家計・収入はどうですか?」の問いにたいし「かなり苦しくなった」(42%)「少し苦しくなった」(29%)と答え、71%もの人が家計の苦しさを訴えています。預貯金などを取り崩して生活費に充てている人が4割に上ります。
家を津波で流された岩手県陸前高田市の女性(41)は仮設住宅で暮らしています。「救援物資だけでは生活できないので、ほとんど買って食べています。収入がないのできつい」と話します。
家計・収入を「変わらない」と答えた人は25%ですが、その多くが年収の少ない年金生活者です。実質、ほとんどの家計が震災によって直撃されたことになります。
避難生活が3カ月となり、精神的にも肉体的にもいっそう追い詰められていることが鮮明になりました。「体調の変化」の問いについて「ストレスを強く感じる」(45人)「眠りが浅い」(37人)「疲労感が強い」(35人)などと答えています。
福島県では、原発避難の労苦と放射能の恐怖が加わります。
それだけに復興への願いは切実で、「国の全面的な支援が必要」と求めた人が91%にのぼります。宮城県石巻市ハローワーク前で取材に応じた男性(42)は、雇用確保、生活物資の支援を上げ「個人の生活を豊かに、個人の再建を優先して復興を」と自ら用紙に書き込みました。
一方で、岩手県大槌町で水産加工を仕事にする女性(74)のように「自民も民主もけんかばかり。少しは被災者のことを考えてほしい」と、民主と自民・公明などの被災者無視の権力争いに怒る声が相次ぎました。
アンケートを取る記者に、「ボランティアの人が支援物資を持って来てくれたのには本当に助かった」「頼りになる」といたる所で声がかけられました。
日本共産党は震災以来、被災地の声を国会に届け、大震災・原発災害にあたっての「提言」を発表。国が責任を持って、被災者の生活再建を土台から支えるよう求めています。
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