2011年6月9日(木)「しんぶん赤旗」
取り調べ可視化求める
井上議員 証拠の全面開示を
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日本共産党の井上哲士議員は7日の参院法務委員会で、違法・不当な取り調べを抑止するため、全過程の可視化と証拠の全面開示を求めました。
井上氏は、警察の取り調べにおける暴行や証言強要事件が大阪、福岡、埼玉で相次ぎ、自殺まで起きていることを指摘。取り調べの適正化のために2008年から各警察署に配置された監督官により、これらの事件の取り調べで「体への接触」や「尊厳を著しく害する言動」などの監督対象行為は認められたのかとただしました。
警察庁の栗生俊一審議官は「視認はしたが、発見できなかった」と答弁。さらに全国の年間取り調べ件数167万8000件のうち監督対象行為とされたのはわずか30件、0・0018%で、監督官の視認時間も「(平均)1、2分」程度しかないことを明らかにしました。
井上氏は「身内による監督では、暴行や脅迫的取り調べはなくせないことを示している。取り調べ過程の可視化に踏み切るべきだ」と主張しました。
さらに井上氏は、最高裁が鑑定を命じるまで警察と検察が一体となって証拠品の紛失事実を隠していた02年の大阪市平野区マンション母子殺害事件などを例に、警察の不当な捜査を許してきた検察の責任も大きいと指摘。「原則としてすべての証拠が開示される制度を導入すべきだ」と主張しました。
江田五月法相は「具体的事件の詳細は差し控える」としながらも、「指摘があれば(証拠は)出さなければならない」と述べました。
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