2011年6月9日(木)「しんぶん赤旗」
金融機能強化法改正案可決
佐々木議員 被災者救済へ生かせ
衆院財金委
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衆院財務金融委員会は8日、金融機能強化法改正案を全会一致で可決しました。同法案は、東日本大震災で被災した金融機関を支援するため、国(預金保険機構)が資本参加し、被災企業に対する債権放棄や新規融資を進めるのがねらいです。
日本共産党の佐々木憲昭議員は質疑で、被災者支援のために地方銀行や信金、信組に対する資本増強は求められているが、震災後も何千億円もの黒字を見込む大手銀行にはまったく必要ないと指摘しました。
自見庄三郎金融担当大臣は「震災の影響などを審査のうえ、個別的・具体的に判断する」とのべ、体力のある大手銀行は実際には対象にならないとの考えを示しました。
佐々木氏は「(資本増強で)体力はついたが、被災者に役立たないのでは意味がない」と指摘。国が資本参加した金融機関が、返済猶予や債権放棄、新規マネーの供給などを進めるよう求めました。
東祥三金融副大臣は「貸付条件変更、新規の信用供与などを金融機関が『経営強化計画』に記載することも考えられる。金融庁は同計画策定の過程で、復興に資する方策についてもよく議論する」と答えました。
佐々木氏は、同法案は「二重ローン解消のための一歩だ」と指摘。同問題の解決のためには、より大きな救済の枠組みを速やかに作る必要があると主張しました。自見氏は「菅首相からも知恵を出すよう指示があった。政府全体の問題として大至急取り組む」と答えました。
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