2011年6月7日(火)「しんぶん赤旗」
アイヌの教育支援強化
参院委で紙議員 官房長官が約束
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日本共産党の紙智子議員は6日の参院決算委員会で、アイヌ施策の推進に向けて政府の認識をただしました。
紙氏は、アイヌ民族には低所得者や無年金者が多く、生活保護世帯は全国平均の倍以上、大学進学率も20%程度(30歳未満)だと指摘。貧困問題の解決は依然、重大課題であり、語り部としても重要な古老への特別手当や子どもたちへの奨学金の充実などが強く要望されていると話しました。
枝野幸男官房長官は「アイヌのみなさんの生活水準はいまだに厳しい状況にある」との認識を示し、教育支援の充実などを約束しました。
紙氏はまた、個人給付などを行う際のアイヌ民族の認定については同和問題の教訓を生かすべきであり、民間の団体任せではなく国が主体的に基準をつくり、透明・公平な方法で認定を行う必要があると提起。枝野氏は「客観性と透明性を高める手法を検討したい」と答えました。
紙氏はさらに、文化庁が2008年度から始めているアイヌ文化の伝承者育成事業について、修了者が学んだことを生かせる仕事も必要だと強調。枝野氏は「学んだことを学術研究、民芸品、観光などで生かす場を政府として広げることをできる限り進めたい」と述べました。