2011年6月7日(火)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
「母と子どもが安心して住める世の中をつくるために、お母さんの力を結集しましょう」▼56年前の今日、東京・豊島公会堂で高らかに響いた呼びかけ。1955年6月7日は、第1回日本母親大会が開催された日です▼日本母親大会は、54年3月のアメリカによるビキニ環礁での水爆実験に反対する世論の中で生まれました。日本婦人団体連合会の平塚らいてう等が、「原水爆禁止のための訴え」を国際民主婦人連盟に送ったことをきっかけに、子どもを核戦争から守ろうと、スイスでの世界母親大会の開催が決定され、日本代表派遣運動の過程で日本母親大会が開かれました▼全国から約2000人が参加。第五福竜丸無線長だった故久保山愛吉さんの妻すずさんが、「犠牲者は私の夫一人でたくさんです。私のねがいは『水爆実験をやめよ。原水爆を禁止せよ』の夫の死の床の最後の叫びをつよくねがうことです」と訴えて皆が涙し、会場は平和への意志で一つになったといいます(『母親運動十年のあゆみ』)。女性たちの社会変革の大きな一歩でした▼そして今、原発災害のもと、母親たちは拡大する放射能汚染から子どもを守ろうと、水や食、土壌の安全に心を砕いています。政府に対して、子どもたちの被ばくを最小限にする対策と原発からの撤退を求める運動も各地で広がっています▼今年57回目を迎える日本母親大会。7月30・31日、被爆地広島で開催されます。生命を育み、守りたい。女性たちの願いは連綿と引き継がれています。