2011年6月5日(日)「しんぶん赤旗」
共産党ボランティア 再建へ農家とともに
カーネーションハウスで泥出し
物資届け炊き出し
「東日本大震災の被災者支援に力を尽くそう」―。日本共産党は4日、宮城県名取市で農家の泥出し、福島県いわき市では避難所で食事の炊き出しを行いました。
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宮城・名取
カーネーションの産地として知られる宮城県名取市。東日本大震災の大津波で大きな被害を受けた生産農家が再建に向けて、懸命の努力を続けています。日本共産党静岡県委員会と民青同盟宮城県委員会の救援ボランティアの協力も得てビニールハウスの泥出し作業を行いました。
この日、救援ボランティアが支援に入ったのは同市のカーネーション農家のビニールハウス。ハウスは壊れていませんが中まで一面泥だらけの状態です。
「今まで豪雨などで冠水することはあっても、津波でつかったのは初めて。まさかここまで津波が来るとは思わなかった」と話した。泥を出すことが今後の作付けに向けての第一歩です。「おおぜいの方に手伝ってもらって作業がはかどり助かりました」と喜びました。
名取市は農家に対し、ヘドロ処理の対応ができないとして、ハウスから泥を撤去する場合は、袋に詰めて出すように要請しました。「袋に入れる作業は困難だ」との農家の声を受け、党市議団が市と交渉しました。その結果、空き地に泥を運び出せば市が回収することになり、農家にとって待望の泥出し作業が実現することになりました。
本格的な作付け再開には、津波による塩の除去や資金面の問題が残されています。それだけに農家の人たちは、国の全面支援を切実に望んでいます。
「来年の作付けへ向けて、試験的に苗を植え、塩分の影響やどれだけ育つのかを調べたい。農家はみんな続けたいと思っていますが、ボイラーや耕運機をはじめとする機械の購入など資金面の不安が大きい。再開へ向け、国から何か支援してもらえないのでしょうか」 (内田達朗)
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福島・いわき 奈良県委
福島県いわき市の避難所では日本共産党の奈良県委員会のボランティア25人が救援物資を届け、食事の炊き出しを行いました。
県議団や市議団を中心としたボランティア隊は二手に分かれて、市の避難所となっている平体育館と県立四倉高校を訪問。出来たての筑前煮やご飯、奈良名産のそうめんを振る舞いました。
ボランティアに参加した平群(へぐり)町の女性は、「被災地、海岸べりは想像していた通りひどい状態。がれきの山や車が宙づりにされた大変な状況を自分の目で見ました。きょうは皆さん出掛けて、避難所には数人しかいませんでしたが、温かい食事の提供などお手伝いさせていただきました」と話しました。
山村幸穂県議は「避難所に残っている方は、生活再建のメドが立っていない方々。温かい炊き出しのご飯を食べてホッとしたと言ってもらえて良かったです」と感想を語りました。
四倉高校では現在、約60人が避難生活を続けており、日中は津波や地震で被害を受けた自宅を片付けたり、ハローワークに仕事を探しに出かけている人も多く、避難所に戻ってくるのは夕方といいます。
避難所で暮らす男性(81)は「仮設住宅は決まったけれど、まだ家電製品や布団がこないので移動できません」と語っていました。 (釘丸晶)