2011年6月5日(日)「しんぶん赤旗」
被災田畑に種植え 岩手・陸前高田
「一歩踏み出せた」
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被災地の田畑をヒマワリで埋め尽くし地域を元気にしよう―。東日本大震災の津波にのみ込まれた岩手県陸前高田市下矢作地区の田畑に4日、地域住民やボランティアら約300人がヒマワリとトウモロコシの種を植えました。
地域の保育園児や小学生らも参加し、がれきを取り除いて耕した田畑に種を入れ、丁寧に土をかぶせました。
田んぼが津波をかぶり農機具もすべて流された女性(74)は「耕された真っ黒い土を見ると元気になるね」と笑顔を見せました。今年は田植えをあきらめていた女性(92)は「タヌキもハクビシンもとうきびが好きだから、食べられないようにしないといけないね」とさっそく収穫を心配。
戸羽太市長も参加し「畑がトウモロコシとヒマワリで飾られることを心より願っています。なんとかみんなの力で陸前高田市を一日も早く復興させていきたい」とあいさつしました。
種を植えたのは地域住民でつくる「塩害対策の会 タネっこをまくべえあ」。名前にはヒマワリで地域を明るくし、トウモロコシで塩害対策をしようとの思いが込められています。種は数十万粒が福岡県内の農協などから寄せられました。
村上誠治会長は「家族や親類を亡くし、元気がない人もいたけど、まずは一歩を踏み出せた」と話しました。