2011年6月4日(土)「しんぶん赤旗」
原発事故賠償仮払い
中小企業者の受け付け開始
東京電力は福島原子力発電所の事故による損害に対する仮払いを5月31日、農林漁業者に対して開始しました。中小企業者に対しては、6月1日から請求書の受け付けを開始しています。
賠償の対象はいずれも、原子力損害賠償紛争審査会が示した政府の出荷指示などを原因とする損害です。
農林漁業者の場合は、農協や漁協で損害賠償についての相談を受け付けています。
中小業者の場合も、商工会や商工会議所、組合中央会など中小業者団体で損害賠償の相談を受け付けています。福島県商工団体連合会も取りまとめ団体です。
また、団体によらず個別に東電へ請求することもできます。その場合、仮払い補償金請求書に記入し、必要書類を添付して東京電力に送付します。
請求書は、東京電力福島原子力補償相談室へ連絡すれば、入手可能です。必要書類とは従事者証明書などです。農林業の場合、農地基本台帳記載事項証明書や耕作証明書、出荷量や額に関する書類も添付します。漁業の場合は、漁業許可証や漁船登録票、漁獲高に関する書類なども添付します。
中小業者の場合は、決算書や確定申告書などが必要となります。
書類の入手が困難な場合は相談室で対応しています。
仮払いの内容は、農林漁業者の場合は損害額の半額です。中小業者の場合は、3月12日から5月末日までの粗利相当額の半額ですが、250万円が上限です。また必要書類が準備できない中小業者には、避難区域で3月12日時点で事業を営んでいたことを示す書類があれば20万円を仮払いしています。