2011年6月4日(土)「しんぶん赤旗」
事故処理費も国民負担
衆院経産委 吉井氏、賠償枠を批判
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日本共産党の吉井英勝議員は1日の衆院経済産業委員会で、福島第1原発事故の損害賠償を支援する政府の枠組みについて、「東京電力を救済するスキームになっている」と批判しました。
賠償スキームは新機構を設立し、東電の支払い能力を超える部分を政府が支援するというものです。吉井氏は損害賠償以外にも事故処理費などの経費が膨大になることが予想され、事故処理ビジネスの利益を生み出すことを指摘。東電の3月期決算では事故処理費を4262億円計上しているが、「今後どれほど膨らむのか」とただしました。
資源エネルギー庁の細野哲弘長官は「決算時に見込めるものと見込めないものがあり、将来、変更がありうる」と答弁しました。
吉井氏は、電気料金が、すべての費用を転嫁できる「総括原価」方式で決められていることをあげ、「事故処理費も国民が負担することになる」と追及。海江田万里経産相は「ストレートに電気料金にのせないよう努力をしている」と弁明に終始しました。
吉井氏は、電力会社はそもそも「地域独占」で利益を確実に確保できる仕組みになっているとして、「この『地域独占』『総括原価方式』を切り替えないと福島原発事故を引き起こした構造は打破できない」と強調しました。