2011年6月4日(土)「しんぶん赤旗」
玄海町長、原発再開了承
党町議「とんでもない」
知事「慎重」
佐賀県玄海町の岸本英雄町長は2日、定期点検で停止中の玄海原子力発電所(4基)の2、3号機について、今月中にも再開を了承すると表明しました。
岸本町長は九州経済界の意向などを再開容認理由にあげました。しかし、九電と安全協定を結ぶ佐賀県は古川康知事が「(原発の)安全は神話にしてならぬ」「再稼働の判断はできぬ」(5月25日)と再開には慎重で、県議会原子力安全対策等特別委員会や周辺自治体の議会も審議中です。
玄海町議会でも1日の原子力対策特別委員会では7人が賛成したものの、これまで原発を推進してきた3人が協議継続を主張し保留、1人が反対しました。
再稼働に反対した日本共産党の藤浦晧(あきら)町議は「町長の対応はとんでもない。国際原子力機関の改善勧告など、原子力行政の問題点をまったく検討することなく、九電の言い分を丸のみする『安全神話』のままだ。住民とともに反対していきたい」とのべました。
日本共産党佐賀県委員会は「再稼働に同意するな」と県民、団体との共同行動を強めています。
原発再開の判断時期明示は困難
佐賀県知事
佐賀県の古川康知事は3日の県議会原子力安全対策等特別委員会で、停止中の九州電力玄海原発2、3号機(玄海町)再開の判断時期について、「今の段階でいつごろに判断すると答えるのは難しい。県民の安全確保が最優先だ」と強調しました。
知事は先月、経済産業省原子力安全・保安院に対し、緊急安全対策に地震対策を盛り込まなかったことなどへの説明を要求しており、その回答が再開判断の「必要条件だ」と語りました。